潔癖症でないシューラバーに向けて、古靴探しの妙味を載せよう。
今となっては手に入らぬ、英国ノーザンプトン製のホーキンスである。
僕は三、四足は古靴に手を出している。安いのも紛う方なき美点だが、大抵は修理が要るので思ったほど安上がりではない。珍しいもの、もう手に入らないものが見つかるのが何よりの魅力である。
この靴はロイヤルワラントを授かっていた時代、イギリスメイドのホーキンス。かつてはこんな時代もあったのか、と感慨深い。
作りもさることながら、革が良いのだ。可也年季が入っているはずなのだが、軽くクリームを入れただけでこの艶。傷や汚れも風格になる。
余談だが、現行ホーキンスにも見るべきものはあると思っている。特にスペイン製でグッドイヤーウェルトのものはバーウィックのOEMだという噂もあるし、アノネイなどインポートレザーを使っていたりして、侮れない。