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ユニオンインペリアル シングルモンク


革靴としては控えめで芸のないこのスタイルを、取り入れる必要に迫られた。

要は鳥渡だけ真面目ぶったのである。人をアッと言わせるには向いていないが、誰が見てもそう悪くは取られない。ユニオンインペリアルには、そういう良い意味での凡庸さ、匿名性がある。

バックルこそモンクストラップの要諦だと僕は信じている。

マットな質感のシルバー、大きめのスクェア、今回はつまらないではなく、Spartan-chicとでも言っておこう。繰り返すが、今回だけはお上品で清楚な男を演じたかったのだ。本当は銀色などノーセンキュー、目の覚めるような山吹色のゴールドが大好きだ。


 トゥに施されたこの仕上げだけは看過できず、苦言を呈することにした。

本当はもっと色々あるけれどね。この靴はプレステージラインという、メーカーの中ではセカンドベストの位置付けなので少々の瑕疵なら目を瞑ることはできる。

 それでも価格帯を考えれば、一応は靴好き向けといえるであろう商品に、べったりとスプレーで塗装するというのは愚挙という他ない。拙い鏡面仕上げ風で、見る度に興を削がれるのだ。


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