ブラインドブローグというのも、一つ洒落者以外を拒むかのような趣がある。
堅物は一文字しか容れず、ファッションコンシャスは穴飾りいっぱいの方が目立つので都合良いのだろう。この手の靴の魅力は、少々ひねくれていないとわからない。
僕は決して洒落者ではないのだが、冒険的精神には事欠かないので、手を出してみた次第。
良くも悪くも、イタリアのハンドクラフトを愉しめる。
歪んでいたり、汚れていたり、むらがあったりするのだが、それも引っくるめて色気になる、いや色気にしてしまうのが小憎らしい。
ソールの仕上げはこの靴のビューティーだと思うので、載せておく。
柔らかなアッパーに施された手塗りも、このソールに負けず劣らずの雰囲気があるのだが、写真から伝わるかどうか。
何となく未だ履き下ろしていないのだが、足入れした感覚だと、ゆったり気味である。グッドイヤーであることを考えるとハーフサイズ下げても良いかもしれない。