古着屋通いも嘗てほどではないのだが、依然続けている。こういう出物があるから、やめられないのだ。
言わずと知れたDaniel&BobのアイコンバッグJasmine、革もRODIでいかにも、という仕上がり。黒でも冷たくない、イタリアの黒だ。
日本にも繊細な色彩感覚があったし、今もあるはずなのだが、日本の革製品の多くは何故あの為体なのか。桜の美を語る人たち、あのGradationの機微を解するなら革にもそれを求めて良い。
ある人は水に浸かった鞄を乾かしたような、と言った。
純な眼差しは時に冷たいが、服飾の心得のない人の意見はいつも奇貨として珍重している。
はっきり言うと開閉がしづらく使いにくい鞄であるうえに、見た目に就いてもこの言われよう。でも、自分では結構気に入っているのだ。所詮傍目には水没鞄。肩肘張らず、気楽に持つのがかっこいい。