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Brecos プレーントゥ


 趣味の世界にコスパは不要。しかし値段の割にバリューな品、リーズナブルなプロダクトというのは間違いなくあって、その筆頭にこの靴を挙げようと思う。

一般化すれば、イタリアのファクトリーブランドの良くできた製品を値頃で買えた場合、ということになる。

 何度でも言うが、安いのに革の透明感が素晴らしい。敢えて額面も書こう、一万円だ。革底、ブラックラピド、インソールも当然の如くオールレザーである。心得のある人ほど舌を巻くのではないか。数倍出したとて、この色味が手に入るかどうか疑わしい。


 良いものは高い。これが一貫して真実ならば、これほど嬉しいことはない。懐寂しい僕でも、すっぱりと諦めが付こうというものだ。

ところがどっこい、そうと限らぬから酷い。この悪魔的真実に衝き動かされ、今日も僕は良靴を探して彷徨うのである。

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